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歯医者さんと技工士さんのブログ
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2007年 03月 19日
先日、母に、お金を下ろしに連れて行ってくれと電話で呼び出された。畑仕事もあったので、野良着で出かけて行くと、電話で私を呼び出した事など、すっかり忘れた様子で「ちょっと交通安全の話があるみたいだから、出かけてくる」と言い、どこかへ行ってしまった。母は、気持ちがとても揺れるようで、気持ちがくるくる変わる。以前は、そのたびに腹をたてていたけれど、最近は、だいぶ慣れた。
その後、昼近くなってから、生の千切り牛蒡がはいったビニール袋を二つもぶら下げて戻ったきた。出かけてから、3時間ぐらいはたっていただろうか。 作業している私の傍に来ると 「疲れたろう、もうお茶でも飲みなよ。私は、もう出来ないからね。情けないもんだ」 という。私は、 「もう少しで、区切りが付くから。待っててー」 といいながら、せっせと作業をしていた。母は不満げに、なんだか、よろめくような感じの足取りで、母屋にもどっていった。作業を続けていると5分もたたないうちに、また母がやってきた。 「何やってるの、お茶飲んだらいいだろう。まったく、私なんかずーっと一人で待ってるのに。何やってるの!」 と少し、強いいらいらした口調で言う。私は、もう少しで、作業が終わるので 「あと、ちょっとなのよ。待ってよ」 というと 「ああ、まったく・・・」 と言いながら、母屋に戻っていった。それから、5分、杖をつきながら母がヨタヨタと歩いてくる。そして 「もう、お昼だろう。何か食べようよ。」 と言うので、作業をしながら 「ああ、今いくから家で待ってて~」 と言うと 「こっちは、ヨタヨタで死にそうなんだ。こんなに、何度も足運ばせて、すぐに来たらいいだろう!」 と言いながら、家にもどっていった。 作業を一応片付けて、あああ、うざいなぁ・・とぐっとこみ上げてくる気持ちを押し殺し母屋に入ってゆくと、お茶の間に誰もいない。私はあわてて 「おばちゃん!!!どこおー」 と声を出すと、母は自分の部屋から心もとない足取りで出てきた。 「ほんとに、情けないよ!こんな姿になっちゃって、こんなに弱くなっちゃって。ここまできたら、いつどうなってもおかしくないね。人間なんか、あっけないね。いい時なんか、ほんとに短くて。ああ、私なんか苦労ばっかりして、つまらない人生だった」 といつものように愚痴を言い始めた。しめっぽく体にまとわり付くような言葉の数々。それを受け止めるのは忍耐がいる。 私は、母をなだめつつ、お昼ご飯を食べた。食後のお茶を飲みながら 「おばちゃん、お金下してくるの?でも、この前さ、私と一緒に農協へ行って、定期解約したよね?たしかまだ2週間ぐらいしてたってないと思うけどなぁ・・・」 と言うと 「そうだっけ?なんだか、さいきん馬鹿になっちゃって、さっぱりわからないんだよ」 「どこかにあるんじゃない?探してみよう」 という事になって、母の部屋のタンスやら押入れやら、あちらこちら開けて探してみたけれど見つからなかった。私は 「あの時、私、今季の肥料代って事で5万もらって、○○子(私の次女)に2万、他に・・・ねぇねぇ、○ちゃん(内孫)に上げたんじゃないの?」 「ああ、そうかもしれない。そうだな。そうだそうだ。きっとそうだ」 と言う。なんだか怪しいなぁと思い 「おばちゃん、あとで、聞いてみたらいいんじゃなの?」 「やだよ!そんな事。恥ずかしいから・・・・」 あちこち、部屋を探しながら、私もだんだんイライラしてくる。その日、お金は見つからなかった。母のお財布みると、残りのお金もだいぶ少ないので、私は、印鑑と通帳を預かってお金を下ろしに行った。ついでに記帳もして、母に戻してあげると 「ああ、なんだか、このごろ本当に馬鹿になって、なんでもすぐ忘れっちゃうなぁ。おまえに、印鑑と通帳預かってもらうかな。お金おろしに行くこともできないしさぁ。お前にもってて欲しい」と言う。最近の母は、確かに忘れっぽくなった。今回、通帳も印鑑も、どこにあるかすぐにわかったけれど、どこにしまい込んだか忘れる事も多くて、お金をおろしに行く度、大変だ。 私は、母の顔を見ながら、お金は、必要な時、私が下ろしてくれば良いかと思った。でも、本当にその事を母が納得しているかどうか、少し不安を感じながらも、帰宅する時に預かってきた。 家に戻り、シャワーを浴びようとしたら電話が鳴った。母からだった。少し興奮し怒ったような声で 「ああ、おらなんか、寂しくてしょうがないよ。まるで裸にされたような気分だよ。まったく人の通帳も印鑑も全部もっていって、酷いだろう。本当に、情けない気持ちだよ!!!!」 私は、ああ、やっぱりと思いながらも、なんだか心中の何かがプチっと切れた。そして母に向かって 「何いってんの?もう一回いってみー。預かってって言ったの、おばちゃんでしょ?それをそんな事言うんだ。わかった、今すぐ返しに行くよ!ああ、今すぐ行く!もういい!」強い口調で怒鳴りつけていた。すると母は手のひらを返したように 「そんな事言ってないよ。今日は、○○子が来てくれて、嬉しかったよ。いっつも一人なんだもん、寂しいんだよ。そんな・・・・エェェェーン」 と弱弱しい声で、子供のように泣いている。泣きながらもえんえんと愚痴を言い続ける母に、私は 「黙れ!黙れ!!!」 と怒鳴ってしまった。怒鳴りながら、私も泣いてた。心で泣いてた。その後も、母の愚痴がえんえんと続いた。私は、もう聞きたくなかったけれど、適当な相槌をうちながら、30分ぐらいは受話器を握り締めていただろうか。私は、耐え切れずに母の愚痴をさえぎり 「やっぱり、通帳と印鑑だけは戻す事にする。証書は、私が預かるから。そうしよう。通帳ないのって寂しいでしょ。明日、届けに行くからね。」 そう言って電話をきってしまった。 その後、私はとても落ち込んでしまった。なんだか、気持ちをどうしてよいかわからずに、親友に来て貰った。親友に私が母にとった態度、投げつけた言葉などを震える声で話した。すると 「いつもね、自分を抑えて抑えているんだから、たまに爆発したっていいんだよ。そういう事はね、けっして悪いことじゃないんだから。気にするな。爆発したんだから、気持ちリセットできたでしょ。また、次からやさしい気持ちで接してやれるよ。大丈夫。あ、あとね証書を預かっている事を義姉さんに、報告しておくといいよ。取れらたとか、盗まれたって騒ぐかもしれないからね。」 と優しく笑いながら言ってくれた。彼女は介護のプロ。私は、救われた思いだった。 翌日、私は印鑑と証書を母に返しに行った。母は、嬉しそうに通帳を開いて見ていた。そして 「お金なんか、使うこともないんだけどねぇ」 とニコニコしていた。 このことがあってから、母は少し落ち着いているように思う。母も私も感情を爆発させた事がよかったんだろうか。
by hanohasan
| 2007-03-19 21:39
| 母の事
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