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歯医者さんと技工士さんのブログ
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2007年 04月 01日
親友のおかあさんは、今、70代の半ばです。私の母は、83歳。二人とも、働き盛りの真っ只中の40代で、上下とも総入れ歯になりました。
その当時の話を、時々、母から聞きます。母が治療をした歯科医院は、私の家の近所にあります。私の家からは、歩いて行ける場所ですが、実家からは遠いです。車でだいたい10分ぐらい。これを歩くとなると大変です。 母は、農家の嫁でした。昔の農業は、今ほど機械化されていませんでしたから、重労働です。農繁期、今ぐらいの時期になると、母はいつも歯が痛くなったそうです。歯が痛くて、歯茎が腫れて、本当に辛かったそうです。そして、たまには、父に「お前の口は、臭いな~」などと言われる事もあったと言っていました。 昔は、交通手段は一時間に一本のバスだけです。幸い、実家の前に国道が走っていて、バス停も近かったので、農作業を終えてから服を着替えて、汗臭いままバスに揺られながら歯科医院へ通院したのでしょう。そして、歯科医院で治療を終えた頃、すでにバスの時間は、終わったしまい、いつも歩いて帰ってきたそうです。でも、母は「月あがりがあって、歩けた」と言うんです。なんだか、その姿を想像するだけで胸が詰まります。 母は、そういった事を繰り返しながら、40代で「もう歯が痛いのは、嫌だ。いっそ上も下も入れ歯にしよう」と決心したそうです。それから、何度かに分けて抜歯を繰り返したのですが、昔は、一度に数本も抜くのが当たり前だったようですね。母の話だと、ある時、抜歯して自宅もどると熱がでてたまらずに寝込んでしまったそうです。でも、自分の歯がまったくなくなって、入れ歯にしたあとは、楽だったと笑いながら話してくれました。きっと、入歯があわなくて、多少口内炎があったとしても、あの歯の痛さよりは、ましだったのでしょう。それにしても、そうなるまでの痛さと苦労を思うと、言葉もでません。それに、私は、その当時、母が、そんなに辛い思いをている事さえ気づきませんでした。 私がインプラント治療をすると言った時、母は、治療がどんな内容か知らなかったのですが「歯が痛いっちゃ、ひでーもんだ。治しておけ。治しておけ。金は、こんな時にこそ使うもんだ。まだまだ若いんだから、働けばいいんだし。歯が痛いっちゃひでーもんだ」と喜んでくれました。 親友のおかあさんも、やっぱり40代で総入歯になりました。今日、お話してわかったのですが、理由は、母と一緒でした。農家でしたから、やはり、農繁期のたびに歯が痛くなったそうです。親友は「私、おかぁちゃんが、歯が痛くて泣いていたの覚えてるよ。ひどかったよなぁ~」と話していました。おかあさんは、当時、こんにゃく農家だったので「おら、どんだけかかってもいいや、一生懸命こんにゃく作って、いい歯を入れるんだ。もう、こんな痛くなる歯、いんらない」と農作業を頑張ったそうです。そして、歯医者さんに良く噛める歯を作ってくれと頼んで、その当時で100万円の入歯を作ったそうです。おかあさんは「食えなくちゃ、つまんないもんな。おら、頑張っちゃったよ」と笑っていました。 現在は、その入歯、さすがに使えずに、保険で作った入歯をしていました。でも「なんでも噛めて、ありがたいよ」と話してくれました。 二人の歯の治療を思うと、私が受けたインプラント治療は、本当に素晴らしいものです。今更ですが、歯科治療を研究し発展させて下さった医療関係者の方々に本当に感謝です。これからも、歯の弱い人が希望をもてるような治療を、もっともっと発展させて欲しいと思います。 それと、歯が丈夫な人には、歯の苦労は、わからないと思います。歯の丈夫な人は、丈夫である事に感謝してくださいね。本当に、幸せな事なんですよ。大事にしてください。
by hanohasan
| 2007-04-01 22:15
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